2012年6月23日土曜日

6/9~10 丹沢山レポート


先日、雨の丹沢でEuroSCHIRMを試してきてくれた相方より、
丹沢山レポートの本編が届きましたので、ご紹介させて頂きます。



6/9~10 丹沢山、1泊2日の山行。


登山を始めて以来、北アルプスしか興味がなかったけど、なぜか最近里山が楽しい。

先月、友人に誘われて行った丹沢。
4月からスタートしたスタンプラリーの台紙を購入して、大山と伊勢原駅を制覇した。
今回は、残りの4つを押すために丹沢山に向かうことにした。
http://www.kankou-hadano.org/tanzawayamanami/index.html


9日11時。大倉。雨。
寝坊してしまい仲間達より遅れること2時間。
スタートが遅くなってしまったこと、1人登山になってしまったこと、初めての登山道であること、雨が降り続いていること、
なにより、大切なスタンプラリーの台紙を忘れてきてしまったこと。
いろいろ重なって、先に行く仲間達とは別のルートで丹沢山を目指した。

【仲間達】大倉~鍋割山~塔の岳~丹沢山
【私】大倉~(大倉尾根)~塔の岳~丹沢山

舗装された道を少し歩いて登山道へ。
この時期、多くの登山者でにぎわうらしいが、この日は独占状態。
きれいに整備されているので、雨でも快適に歩けた。
満開のウツギが咲く道や、車が通れそうな広く平な道。


快調にとばしていたのもつかの間、なんだかこの日はやたらと体が重く、次第に息もあがってきた。
体調が悪いのかなと思っていたが、実はこの大倉尾根、、バカにだらだら続く登りから通称「バカ尾根」と呼ばれていることを後で知った。
特に、見晴茶屋から駒止茶屋までは、ただただひたすら登り。しかも急。


予期せぬ1人登山が、思わぬ修行登山になってしまったけど、
雨で生き生きしている深い緑の中を、必死に登る。
結構好きなシチュエーションでもある。

休憩もそこそこにひたすら登り続け、塔の岳に到着。
仲間達の動向を尋ねようと尊仏山荘のドアを開けると、
「よくきたねぇ」
オーナー達がずぶぬれの私に温かい言葉をかけてくれた。


今日はまだ団体は来ておらず、丹沢山に登って行ったのは2名だけとのこと。
どうやら仲間達より先に着いたようだ。
宿泊予定の山荘はここから1時間先にあるみやま山荘。
このときすでに15時。
山荘の人が心配するから先に行って仲間の状況を伝えなさいというオーナーの助言を受け、尊仏山荘を後にした。

私が滞在した数分間も、ずっと窓際に座って外を見続け、訪れる登山者達を見守っていたオーナー。
山を愛し、山を訪れるものを包み込む優しさと厳しさを感じた。

山荘を出てすぐ、鹿に遭遇した。

1人登山はとりわけ動物に会うことに恐怖を感じるが、こんなに優しい気持ちになったのは初めてだった。
なんとなくほっこりした気分のまま、塔の岳から丹沢まで続く穏やかな稜線と見ごろのトウゴクミツバツツジに囲まれてようやく自然に馴染んできたころ、
丹沢山山頂に到着し、目の前にあるみやま山荘に急いだ。


山荘の受付で状況を説明した後、1人登山になってしまった今日の話で盛り上がった。
笑顔のおかみさんと、雨の登山はわたしも結構好きなのよ、なんて話もしながら濡れたレインウエアやザックを片付けた。

そういえば名物のヒルは見なかったな、と一瞬思いつつ、ゆったりした山荘の時間を楽しみながら仲間を待つこと1時間。
無事に仲間たちに会えた。

一通り謝罪して、みんなのレインウエアを干すのを手伝っていたら、
「きゃぁぁぁぁぁ、ヒル!ヒル!」と悲鳴が聞こえた。
どうやら、レインウエアに付いたヒルが落ちてきて腕をかまれたようだ。
仲間の1人がヒルをつまんで床に押しつけて指でつぶそうとしたけど、全然つぶれない。
大倉でもらってきた塩をかけてみたけど、うねうねしているだけでなかなか動きはとまらない。

「完全に殺さなきゃだめだよ!」と隣で自炊していたおじさま達が割り箸でつまんでストーブの火で焼いてくれた。
血を吸って栄養を蓄えたヒルは、数日で産卵するため、放置してはいけないとのこと。

ひと段落して着替える仲間達の横に座り、登ってきたルートの話を聞いた。
ヒルは足元にうようよとしているのがはっきり見えるくらいいたらしく、仲間の半数が被害にあっていた。
特に鍋割山周辺が多く、鍋割山荘のオーナーからしっかり対策を教わったと話してくれた。

18時。夕食。
6月というのに山の上は寒く、冷えた体に温かいご飯は本当においしい。
迷わずご飯をおかわりした。


少しお酒も頂いて、20時半。消灯。

10日。5時起床、5時半朝食。曇り。
梅の混ぜご飯がとてもおいしくて、ここでもまたしっかりおかわり。


笑顔が素敵なおかみさんにお礼をして、アットホームな山荘に後ろ髪をひかれつつ出発した。

下山は、塔の岳~三の塔~二の塔~ヤビツ峠。

塔の岳に向かう途中天気が回復し、ようやく美しい景色が広がってきた。
相模湾と東京湾を一望することができた。


写真でとらえることはできなかったが、オープンしたばかりのスカイツリーが見えたのも関東近郊の山ならでは。
前日、雨で撮れなかったうっぷんをはらすように、みんなで撮影大会をしながら稜線歩きを楽しんだ。

塔の岳に着く頃には、すっかり晴れて、半袖でも暑いくらいだった。
尊仏山荘に顔を出し、仲間達に出会えたことを報告。
すると、「昨日の夜景と、今朝の朝焼けは本当にきれいだったねぇ」と。
雨とヒルに疲れた私たちは、大切な山のイベントを忘れていた。
それに、高山にしか泊ったことがなかったので、山から夜景を見るという発想はなく新しい発見だった。
前日は雨で気付かなかったが、塔の岳からは街が一望できた。
寝静まった山から見える美しい夜景を妄想してみた。
今度は尊仏山荘に泊ってみようと思う。

塔の岳からヤビツ峠までは、細い登山道が続いた。
前日とはうってかわり、多くの登山者に出会い、すれ違いは互いに声を掛け道を譲りあった。

雨の静かな山道と夏を感じる賑やかな山道。
2日間で山が見せてくれた全く異なる姿を堪能しながらゆっくり下山し、無事ヤビツ峠に到着した。

ところで、今回、初めて傘を使って歩いてみた。


手がふさがれてしまうのは不便かなとか、荷物になるのが嫌だなとか思って避けていたアイテム。
使ってみたら全く気になることはなく、むしろ顔や上半身が濡れないことがこんなに快適なのかと驚いた。
ささない時も、折りたたむタイプではないのにザックに付けたら大きさも重さも全然気にならない。
傘を回してわざと水たまりを踏みながら家に帰った幼いころを思い出したりもして、楽しくもあった。

それと、ヒル対策になるかもしれないとも思っていた。
しかし、被害にあった仲間達によると、
傘の上に落ちてきたヒルはそのまま器用に内側に移動して上から体に落ちてきた、という嘘みたいなほんとの話。
脇腹をかまれていた人がいたのはそのせいなのかな。
夜の宴会では、ヒル対策としての傘の有用性は判断が難しいという結論に至った。

最後に、今回の目的の1つだったスタンプラリー。
台紙を忘れてしまってどうしようか考えた結果、2つの台紙が手元に。


次はどんな姿を見せてくれるか今から楽しみである。






以上、ご覧頂きましてありがとうございました。
なお、今回のレポートに登場している傘 (EuroSCHIRM)はこちらから購入可能です。